夏用の紳士物帽子の代名詞と言える素材です。パナマはその名称からパナマ共和国で生産された帽子と言うイメージですが、実際はエクアドルを中心とした中南米で生産されています。原料は「トキヤ草」The toquilla straw plant (Carludovica palmata)、と言い日本で見る棕櫚(シュロ)のような植物の葉を一度乾燥させてから、濡らしながら手編みで作られます。パナマと付くのはパナマから出荷されたからということのようですが、諸説あるようです。
パナマの品質はかなり厳密に区分けされ価格に反映されます。1平方インチ当たりに何本編み込まれているかが基準なのですが、手頃なものだと100本より少 なく高価なものだと2000本ちかくなんてものもあるようです。信じがたいと思いますが、価格にすると50万円以上するものも存在します。それなりのものであれば2~3ヶ月程度は編むのにかかるそうですが、現在は中国産などの安価なイミテーションに押されているようです。本パナマにはエクアドル産の焼き印が裏側に入っていますので気になる方はご確認ください。
20世紀の初頭は帽子は正装でしたから外出時には必須でした。プランテーションと共に入植した欧 米人にも帽子が必須だったわけで、さすがに熱帯、亜熱帯気候ではフェルトの帽子は被れませんので、夏用に現地の人たちが使っている素材が形を変えたんだと思います。未だにパナマ帽のスタイルにプランテーションなんてものが残っていたりするわけです。
日本人とパナマ帽の結びつきのイメージは大きいようです。和服にパナマ、文豪と帽子のイメージはおなじみです。明治から昭和にかけて大変高価なものだったにもかかわらずクリエイティブな人たちに愛された帽子です。
原料:トキヤ草
原産地:エクアドル、その他中南米
加工地:エクアドル、その他中南米
参考サイト
パナマ帽(WIKI 日本語)
Panama hat(WIKI 英語)
Carludovica palmata(WIKI 英語)